『やとのいえ』偕成社

 
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やとのいえ表紙画像この冬のすいせん図書の中の1冊です。
題名が、ひらがなだと何だかわかりませんが、出版社の解説によると。

”「やと」とは「谷戸」とも書き、なだらかな丘陵地に、浅い谷が奥深くまで入り込んでいるような地形のことをいいます。
この絵本では、東京郊外・多摩丘陵の谷戸をモデルに、そこに立つ一軒の農家と、その土地にくらす人々の様子を、道ばたにつくられた十六の羅漢さんとともに、定点観測で見ていきます。描かれるのは、明治時代のはじめから現代までの150年間。”

専門家が監修して緻密に描かれた、でも親しみやすい絵です。また、詳しい解説もあって、絵本としては大変情報量が多い本です。対象は小学校中学年とありますが、大人が読んでも楽しめると思います。
この本の舞台は東京ですが、「やと」の地形そのものは、全国に分布し、主に東日本で「やと」と呼ぶそうです。大宮にも「側ヶ谷戸」、「五味貝土」や「宮ケ谷塔」という地名があります。いずれも最初に聞いたときは不思議な地名だと思いましたが、ちゃんと理由があったわけです。こうした地名が残っているということは、その昔からその地域で人々の暮らしが連綿と続いてきた証です。
親子で楽しめる絵本としておすすめします。